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KUNSANのType-B的ダイアリー

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楊逸さん2。

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「金魚生活」 by 楊逸

芥川賞作家、楊逸さんの小説3作目「金魚生活」(過去2作については別ブログ「楊逸さん。」参照。ちなみにカバー写真は蜷川実花氏の撮影。そんなカバーを蜷川実花アプリ「cameran」で重ね撮りしてみました(夜のネオン街みたいになっちゃった・・)。芥川賞を取った直後の作品にしては肩に力が入ってなく(褒め言葉)、ややコメディータッチ。それでも時々チクっとする現実も見え隠れしたりして・・。結局のところ、「理想の世界は金魚鉢の外にあるのか、それとも中にあるのか?」・・・ヒロインの玉玲さんと一緒になって考えさせられます。

続いて、楊逸さん4作目の小説「すき・やき」も読みました。つい先日、ランチを食べに入ったうどん屋さんでのこと。注文を取りに来た店員さんに「天ざる」と言ったら、「冷たいの?温かいの?」と聞かれ、一瞬「へ・・?」となったんですが、発音をよく聞いたら中国人の子だったんですよね。ふと、「すき・やき」のヒロイン、ココちゃんのことを思い出しました。コンビニのレジとか、最近中国人のバイトの子って多いですよね。彼女たちも、高級すきやき店でバイトするココちゃんのように、異国の言語や作法や文化に戸惑いながらも明るく健気に頑張ってるんだなー、もし自分が同じ立場だったら出来ないだろうなー・・・そう思うと応援したくなりますね。

楊逸さんの小説の面白いところは、長年日本で暮らされているせいか、中国人と日本人の気質とか心情を巧みに描き分けられるところ。KUNSAN、かつて大連で駐在したこともあり中国人の友達もいるので、読みながら感心したり、納得したり、くすっとなったり・・・。たまに、日本人では思いつかないような、びっくりするような日本語表現もあるんですけど(笑)、それもまた楊逸さんの小説のいいところ。これからも、変に正しい日本語で書こうなんて思わないで欲しいですね。
by bull_dong_kun_san | 2012-11-10 20:37 | 書籍

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